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食品ロスについて会見で話す小泉進次郎農林水産相=2025年6月27日、東京・霞が関、高橋豪撮影

 食べることができるのに捨てられてしまう「食品ロス」について、農林水産省や消費者庁などは27日、2023年度の推計値が464万トン(前年度比8万トン減)だったと発表した。国民1人あたりに換算すると年間で37キロの食べ物を捨てたことになる。

 政府は、食品ロスの削減目標として、30年度までに00年度比で事業系ロスを60%減、家庭系ロスを50%減らし、計435万トンとする目標を立てている。

 23年度は、食品産業が出す事業系ロスが231万トン(同5万トン減)。内訳は、食品製造業108万トン(同9万トン減)、食品小売業48万トン(同1万トン減)、食品卸売業9万トン(同1万トン減)で、この3業種はいずれも前年度比で減っていたが、外食産業は66万トンで6万トンほど増えていた。コロナ禍があけ、外食機会が増えたことが理由のひとつとみられる。目標達成まではあと12万トン減。農水省は、食品業界による需要予測の精度向上や賞味期限の延長、フードバンクや子ども食堂への寄付などの取り組みなどを推進していくという。

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食品ロス量の推移と削減目標

「冷蔵庫の在庫管理がポイントに」

 一方、各家庭が出す家庭系ロスは233万トン(同3万トン減)。目標達成のためには30年度までにあと17万トン減らす必要がある。「誰もが取り組みやすい施策を検討していくことが望ましい」としている。

 一例として、冷蔵庫の奥に置いた食品まで見えるように整理する▽早く使う必要がある食材を庫内の見えやすい位置に置くといった助言をするとともに、スマホアプリなどで庫内の食材を確認できるようにするツールを普及させていきたいという。

食べ残しの持ち帰り「もっと気軽に」

 小泉進次郎農水相は27日の会見で事業系ロスの削減目標について触れ、「2030年度を待たず、達成できる可能性が相当出てきている」との見解を示し、「飲食店での食べ残しの持ち帰りがもっと気軽にできるような環境を整備していくのも大事なことだと思う」と話した。

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