岐阜県高山市で10月9、10日に開かれる「秋の高山祭」(八幡祭)を前に、岐阜大学の2年生たちが11台の屋台を紹介するハンドブックを作った。子ども向けに屋台の歴史や見どころをまとめた内容で、市内の小中学校に配布される。
「秋の高山祭 はちまん祭―祭りがさらに楽しくなる屋台大図鑑」と名付けたハンドブックはA5判、32ページ。桜山八幡宮や市などから提供された写真をふんだんに使って各屋台を見開きで紹介している。棟飾りや彫刻、おはやしなど屋台の特徴を短い文章で解説。また、屋台を管理する住民組織「屋台組」代表者のコメントや、高齢化が指摘される屋台組の年齢構成も掲載した。1万部を発行し、観光案内所でも配布されるという。
岐阜大の社会システム経営学環に在籍する学生29人は、1年生の時から八幡祭の「課題」を解決する実習に取り組んできた。「担い手確保」や「郷土愛・地域の誇りの醸成」などについて検討し、屋台組にアンケートや聞き取りをした。
今年5月、高山市であった実習の報告会で、班ごとに「屋台総選挙」や「ファンクラブ設立」などを提案。その中で「子ども向けハンドブック作成」に屋台関係者が賛同した。
提案した学生5人は、作成に向けてさらに八幡祭を調査。岐阜大「地域ラボ・高山」の中畑久美子特任准教授が現地で指導し、屋台関係者が地元企業や団体に協賛を募るなど発行を支援した。
25日は、高山市役所で学生2人が田中明市長にハンドブックを手渡した。生田悠姫さん(19)は「既存のパンフレットにはない情報を載せ、図鑑のように子どもたちがわくわくするものをと考えた」と説明。福本琉平さん(19)は「歴史あるお祭りに外部の人が触れていいのかという思いはあったが、大人が見ても楽しいものが作れたと思う」と話した。(荻野好弘)