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横浜―津田学園 八回表横浜1死二塁、適時打を放つ阿部葉。投手桑山=小玉重隆撮影
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智弁和歌山前監督・高嶋仁の目

 (17日、第107回全国高校野球選手権大会3回戦 横浜5―0津田学園)

 横浜は長打なし、単打8本で5得点ですか。バント、盗塁を含めて抜け目のない攻めが光りました。

 「さすがやな」と思ったのは八回の追加点です。

 四球、犠打で1死二塁とし、3番阿部葉太選手が右前適時打。右翼手からの返球は本塁へダイレクトで高かった。すかさず、打者走者の阿部葉選手は二塁へ進みました。

 続く奥村頼人選手も右前適時打で5点目。阿部葉選手が二塁へ進んでいたのが大きかった。奥村頼選手も同じように、右翼からの高い返球を見て二塁へ進みました。

 2人ともスピードを緩めず、ちゅうちょなくいきましたね。全国の高校生のお手本になるプレーで、ぜひ見習ってほしいです。

 横浜打線は1~6番まで左打者が並んでいます。津田学園の好左腕桑山晄太朗投手をいかに攻略するか、注目していました。

 三回の先制点は左投手攻略のお手本のようでした。1死二塁から2番為永皓選手が左前安打。右肩を開かず、速球を引きつけてたたきました。この一打が左翼手の失策を誘い、2点を挙げました。

 僕は監督時代、左腕に対した時は左打者に「遊撃手の頭を狙え」と繰り返し言ってきました。練習試合では、事前に「引っ張ったら交代」と約束し、左打者が引っ張って右翼へ本塁打を放った時に、途中交代させたこともあります。それぐらい徹底しないと、左投手の球は背中のほうから来るので、どうしても右肩が開いてしまうのです。

 中軸に適時打が出て、織田翔希投手もしっかりピンチを断った。横浜がぼちぼち、調子を上げてきましたね。

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