チケットの売買をめぐる、女子高校生と相手のメッセージのやり取り=原野百々恵撮影

 好きな有名人やキャラクターを応援する「推し活」。16歳だった女子高校生は、人気男性グループの推し活に励んでいた。ライブでメンバーに会って、元気をもらいたい……。そんな純粋な気持ちはある日、犯罪の手口にからめとられた。

ライブ2日前、Xに…

 昨年6月。兵庫県尼崎市に住むこの高校生は、目を皿のようにしてX(旧ツイッター)を見ていた。「推し」のライブチケットを有料で譲ってくれる人を探すためだった。

 推しているのは、キレのあるダンスとボーカルが特徴の人気男性グループ。小学5年からファンクラブにも入り、これまで10回ほどライブに行っている。

 まだ一度も推しのライブに行ったことがない友人と一緒にどうしても行きたかった。

 ライブが2日後に迫ったその時、「チケットを譲りたい」という内容の投稿を見つけた。すぐにDM(ダイレクトメッセージ)を送った。

 すでに他のアカウントからも、チケットを買いたいというDMが複数届いているようだった。行きたい気持ちと焦りが募る。

振り込み後に一変

 ほどなくして相手から返事があった。

 「ご連絡ありがとうございます。銀行振り込みの対応は可能でしょうか?」

 振込口座の指定や譲渡に関して高校生からの条件がないか、丁寧な言葉遣いで聞いてきた。

 やり取りを始めて数時間後、指定の銀行口座に2人分のチケット代2万3780円を振り込み、明細書の写真を送った。

 だが相手からの返答に目を疑…

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