PTA室に寄せられた学生服や体操服、学用品など=2月3日、東京都港区立青山中

 サイズが合わなくなったり、卒業して使わなくなったりした学生服を、ネットを通じて必要な家庭に届ける――。そんなリユースの仕組みを伊藤忠商事(東京)が始めた。これまではPTAなどが集めて譲渡会を開いてきたが、手間や学生服価格の高騰といった課題を解決できるとあって、全国に少しずつ広がっている。

 東京都港区立青山中のPTA室。ハンガーにかけられたブレザーや、きれいにたたまれた体操服、通学リュックなどが整然と並ぶ。「以前から、各家庭で不用になった学生服をPTAが集め、学校行事などのタイミングで譲渡会を開き、必要な家庭とつないできた」とPTA会長の柳井健夫さん(57)。

 ただ、寄せられるのは、新入生の時にそろえたものがサイズアウトしたという場合が多く、小さなサイズに偏りがちだった。こうしたサイズがほしいのは入学前の家庭だが、きょうだいがいる場合を除いて譲渡会に参加することは難しいため、どうしても小さな学生服が余りがちになっていた。状態によっては、せっかく寄せられたのに処分せざるを得ない場合もあった。

 青山中が今春導入するのは…

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