新潟県のブランド米「魚沼産コシヒカリ」の新米の品質検査が始まった。夏場の渇水の影響が懸念されたが、その後の降雨で生育状況は回復傾向にあり、関係者は「期待できる」と胸をなで下ろしている。今月下旬には新米が店頭に並び始めるという。

 12日、小千谷市にあるJA魚沼の低温倉庫に地元農家から持ち込まれた米袋が積み上げられた。それぞれの袋から専用の器具で抜き取った玄米の色や形などを、検査員が目視で調べて等級を判断する。「高温が原因の白く濁った未熟米も心配されたほどはない」

 新潟県の魚沼市、小千谷市、十日町市、津南町、長岡市川口地区で生産される魚沼産コシヒカリの新米の収穫量は例年より多い2万トン余が見込まれている。今月8日から品質検査が始まり、10日までのところ、最上の一等米比率は73.5%。同JA経営管理委員会の久賀満会長は「高温渇水や倒伏の影響があったここ2年よりもいい。今年も渇水の影響を心配したが、出穂期の8月上旬に雨が降り、回復傾向に向かった。農家の水管理や肥料の追加の努力もあって、一等米比率もこれから上がっていくだろう」と期待していた。

JA魚沼の前払い金、60キロ3万3千円

 同JAでは農家へ渡す前払い金を、JA全農にいがたが提示していた額に500円上乗せし、60キロ当たり3万3千円にした。「肥料などの価格が上がっており、再生可能な農業のための額を判断した」という。

 品質検査は今月下旬にピークを迎えるという。

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