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鳥取県教育委員会が入る庁舎=鳥取市、富田祥広撮影

 鳥取県教育委員会は、島根大教育学部(松江市)に地域志向入試の「鳥取県枠」で入学した鳥取県出身者らを対象に、鳥取県内の公立校でインターンシップを経験すれば教員採用試験で1次試験を免除する特別選考を導入する。教員人材の確保に向けた取り組みで、2028年度採用試験から実施する。

 島根大教育学部は24年度入試から、特定の地域で教員をめざす高校生らのための「地域教員育成型」で鳥取県枠(7人)を新設。鳥取県内の高校を卒業予定か卒業した人を対象に、鳥取県や出身地など地域志向が強い学生を受け入れる地域志向入試を実施している。

 鳥取県教委は、この入試で24年度に入学した学生が受験予定の28年度教員採用試験から特別選考を始める。採用数は島根大の鳥取県枠に相当する7人程度を予定している。

 特別選考の導入に合わせて、島根大教育学部のプログラム「1000時間体験学修」を活用し、鳥取県内の公立校で計200時間の学校体験活動(スクール・インターンシップ)を実施。学習プリントの準備や採点補助、休憩時間の児童・生徒の見守りなどを通じて教育現場での実践力を養う狙いで、活動実績は教員採用の1次試験となる一般教養と専門試験(筆記試験)の免除につながる評価に使う。

 新たな取り組みの背景には教員のなり手不足がある。04年に島根大と鳥取大が県境を越えて教員養成課程を再編し、鳥取大の教育地域科学部は地域学部に転換。教員養成機能は鳥取大にも残されたが、教員志望者が鳥取県外に流出する懸念が長年指摘されてきた。

 県教委の担当者は「教員を志す高校生が島根大に進み、鳥取県で教員になるまでの一連の流れを構築して、県出身の優秀な教員の確保につなげたい」と話している。

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