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鳳凰山で見つかった風穴(長さ15メートル)=大館郷土博物館提供

 夏になると、山の斜面から冷たい風が吹き出す「風穴(ふうけつ)」が、大文字焼きで知られる秋田県大館市の鳳凰山(520メートル)で初めて見つかった。登山道で足を止めるクールスポットになりそうだ。

 鳳凰山西向き斜面の標高340メートル付近。岩くずが堆積(たいせき)した斜面に長さ15メートル、幅1メートルの範囲で帯状に確認された。今年3月、大館郷土博物館の鳥潟幸男学芸員らが研究紀要に発表した。位置が確認された風穴は市内では6カ所目になるという。

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見つかった風穴は、大文字焼きの「大」の字の第2画目のはらいの先、約70メートル先にある=鳳凰山、大館市提供

 地表の隙間から冷風や温風が吹き出る「風穴現象」は、地下の空気が対流することによって引き起こされるという。風穴は、山の斜面上方にある温風穴と下方にある冷風穴がセットで存在するとされ、季節によって空気を吹き出したり吸いこんだりする。

 夏の山の斜面では、地下の氷で冷やされ、重くなった空気が下方へ移動して地表の隙間から放出される冷風穴となる。

 一方、斜面上方では、下方で放出した空気を補うために地表の隙間から外気を吸いこむ。冬はその逆で、斜面上方は温かく軽い空気を放出する温風穴になり、斜面下方では外気を吸いこんでいる。

 鳳凰山で確認された風穴は…

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