神奈川県・数藤文子さん(67)からの質問
ののちゃん 奈良公園の鹿の話を学校で聞いたよ。春は角が生えかわる時期なんだってね。
藤原先生 そう。奈良公園などにいるニホンジカのオスは、春になるとそれまで生えていた角が自然に落ちるの。「落角(らっかく)」と呼ばれるよ。それから夏にかけて新しい角が生え始める。はじめのうちは軟骨という状態で伸びていき、秋になると表面の皮膚がはがれて、本来の硬い角になるよ。
のの あんな立派な角が毎年新しく生えてくるなんて、すごいね。だけどさ、あれって骨みたいなもんなんだよね。
先生 うん、カルシウムやリンなど、素材は同じだよ。
のの じゃあ、立派な角が生える代わりに、体の骨のほうがスカスカになったりしないの。
先生 それはその通りみたい。海外の研究に、角がさかんに成長している時期の胴体の骨を調べたものがあって、人間の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)といわれる病気のときのように、骨の中ですき間が広がっている様子が報告されているよ。角をしっかり成長させるために、一時的に骨の一部を壊して、その成分を角のほうに回してあげているみたい。
のの だとしたら、年を重ねて生えかわるにつれて、どんどん骨がもろくなっちゃう。
ののちゃんは、朝日新聞に連載されている漫画の主人公で、小学3年生。学級担任の藤原先生を相手に、身の回りの不思議を質問します。聞いてほしい疑問はこちらへ。science@asahi.com
先生 それがね、角が成長し…