Smiley face
写真・図版
2013年ごろの錦江湾横断遠泳での様子=全日写連の菊池俊一さん撮影

 鹿児島市の錦江湾で、今夏も小学生たちが4.2キロの遠泳に挑む。水泳にかける子どもたちや大人の情熱はどこよりも熱い。

 3千メートルを足をつかずに90分で泳ぎ切る――。本番の遠泳に参加するには、こうした厳しい条件をクリアしないといけない。

写真・図版
3千メートルを泳ぐ子どもたち=6月、鹿児島市の清水小学校、宮田富士男撮影

 参加をめざす小学4~6年生たちは、5月からプールで練習を重ねる。タイム検定に落ちる子もたくさんいる。

 大正時代に始まった遠泳で、名称は「錦江湾横断遠泳」。桜島から対岸までを平泳ぎで約2時間かけ泳ぐ。薩摩藩独特の郷中(ごじゅう)教育では、武芸や角力(すもう)とともに水練を奨励したといい、これが下地になったとみられる。

 清水小の4年生、大須賀春樹さんはこの遠泳のために茨城県から転校してきた。

 同小卒業生の母の亜里沙さん…

共有