警視庁本部

 2024年の1年間に警視庁が把握した特殊詐欺の被害は3494件で、前年より576件(19・7%)多かった。被害総額は約153億1千万円で、前年より約71億7千万円(87・9%)増え、過去最多だった18年と比べても1・7倍となった。警察官を装う人物が「あなたに逮捕状が出ている」などと脅す手口の被害が大幅に増えており、注意を呼びかけている。

 警視庁が10日、発表した。特殊詐欺対策本部によると、1千万円以上の高額被害は320件、被害総額は約95億8千万円に上った。詐欺グループがネットバンキングで送金させるケースが多く、前年から594件増の707件になった。

 手口別で最多だったのは「オレオレ詐欺」の1566件で、全体の44・8%だった。被害総額は約108億9千万円で、71・1%を占めた。

 オレオレ詐欺で最も多かったのが、警察官をかたる手口で、806件。前年は3件だった。約1600万円だった被害総額は約69億6千万円になり、特殊詐欺全体の半数近くを占めた。特殊詐欺の被害者はお年寄りが目立つが、この手口は世代を問わずに被害に遭ったという。

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