取材エリアに来た女子5000メートルの山本有真(積水化学)は、声を震わせていた。
「やっと、自分の思うようなレースができた。すごくうれしいです」
12日の金栗記念選抜陸上中長距離大会で、山本は、15分12秒97で日本選手トップの5位に入った。2年半ぶりの自己ベストだ。
4000メートル付近までは、この日ペースメーカーを務めた田中希実(ニューバランス)にぴたりと付いた。田中が役割を終えるまで、ついて行けたのは山本と、もう1人。前に抜け出したのは山本だけだった。
「良い練習ができていたので、必ずいけると思っていた。思ったより余裕があった」
同組の日本人選手を、10秒以上引き離す会心の走り。レース後、田中に抱きついて、手をつなぎ、何度も頭を下げて感謝した。
山本がブレークしたのは20…