「介護の社会化」を掲げた介護保険スタートから間もなく25年。「改悪につぐ改悪の歴史だった」と振り返るのはNPO渋谷介護サポートセンターの服部万里子さんです。制度見直しのどこに課題があるのか、聞きました。
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いま一番問題だと考えているのは、訪問介護の基本報酬が今年度から引き下げられたことです。
ホームヘルパーは本来、極めて高い専門性が求められる職種です。しかし、国は訪問介護を「誰にでもできる仕事」とみなし、専門性を評価していない。それが問題の根底にあります。
ヘルパーとして働く人がいなくなれば、要介護の高齢者が自宅で生活することは困難になります。
介護報酬は大幅に引き上げなければいけない。その財源はどうするか。介護費用の増加を利用者負担に転嫁するのは、もう限界です。公費投入の割合を増やすことも選択肢として、国が検討すべきだと思います。
介護保険は、家族介護を社会的介護に転換するためにできました。高く評価しているし、なくしてはいけない制度です。
しかし、施行後の25年を振…