6年生の安全科の授業がテレビモニターを通じて報道陣に公開された=2024年6月8日、大阪府池田市緑丘1丁目、周毅愷撮影
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 大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の児童殺傷事件から8日で23年。学校では事件をきっかけに始まった「安全科」の授業がテレビモニターを通じて報道陣に公開された。

 6年生の授業では、これまでに学んだ「制服」「学校の安全対策」「遺族の願い」を題材に、印象に残ったことを発表した。

 挙がったのは、事件後に「制服を着るとつらい気持ちを思い出す」と話す児童がいたこと、校長から聞いた学校の安全設備などだった。担任は「周りの人に伝えて、学校の安全の輪を広げていこう」と声をかけた。

 授業後、追悼式があった。6年生の児童の代表がモニュメントの塔の前で、学校で学んだことを生かして「いつか『守られる側』から命を『守る側』になりたい」と語った。

 旧正門前に設けられた献花台には、朝から花を手向ける人が次々と訪れた。池田市の50代の男性は「子どもたちが安心安全に暮らしてほしい」と花を捧げた。東京から来たという女性(52)は「花が一つ増えることで、事件で傷ついた人たちの心がちょっとでも和らいでくれればうれしい」と話した。(田中祐也、岡田真実、周毅愷)

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