昨秋のまだ暑い日だった。高校野球の公式戦からの帰り道、高齢の女性が倒れていた。熱中症のようだ。ためらわず声をかけ、救急車が着くまで寄り添った。これをたたえられ、日本高校野球連盟から「善行表彰」を受けた。「こんな大きな賞をもらっちゃって……」とはにかんだ。
昨年9月11日、県大会2回戦の後だった。新潟第一高校の水沢海志選手(2年)は、新潟市中央区にある学校から50分ほどかけて自転車で帰宅しようとしていた。同市東区まで来ると、女性が自転車にまたがった状態で倒れていた。すぐに自転車を止めて声をかけた。
「暑くないですか。水、飲み…