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大阪府警本部

 SNS上の「なりすまし」をめぐり、大阪府警に2度も誤認逮捕された20代の男性会社員が、府や国などに計約2千万円の賠償を求めて近く、大阪地裁に提訴する。府警では過去にもなりすましによる誤認逮捕があり、男性は「誤った捜査の教訓を生かしてほしい」と訴えている。

 男性はSNSで知り合った女性を脅したなどとして、2023年4月に脅迫などの疑いで守口署に逮捕され、5月には女性の性的な写真をその友人に送ったとしてリベンジポルノ防止法違反容疑で再逮捕された。一貫して容疑を否認したが、釈放されるまで42日間拘束された。

 だが、府警は7月に誤認逮捕だったと発表し、男性に謝罪。その後、女性の気を引こうと男性になりすました元美容師を脅迫容疑などで逮捕・起訴し、有罪判決が確定した。

「100%犯人だと思っている」

 訴状で男性側は、「犯人は男性だと思う」という女性の説明を捜査員がうのみにしたと主張。逮捕後も発信元の特定や男性のスマホの解析など最低限の捜査を怠り、再逮捕に至ったと訴える。

 取り調べでは警察から「ポリグラフ鑑定は真っ黒だ。状況からもお前しかいない」「うそがいつまで通じると思ってるの?」などと言われ、大阪地検の検察官からは「100%犯人だと思っている」と決めつけられたとも主張。精神的に追い詰めて自白を強要した、としている。

 男性は、元美容師と女性にも…

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