棚田の田植え。パイプで沢から水を引いている=2025年5月26日午前11時48分、新潟県十日町市、沼田千賀子撮影

連載「ごはんの育ち方」 新潟 田植え

 米どころで知られる新潟県十日町市に、SNSで「お米を作る農機具屋さん」とうたう小さな会社がある。

 農機具や除雪機の販売・整備をする「ミズワ商会」は役員と社員をあわせて数人。農機具や除雪機の販売・整備をしながら、地域の田んぼでお米を作っている。繁忙期には地域の人がアルバイトに駆けつける。

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 十日町は名高い米どころ、魚沼エリアの一部。会社が管理する田んぼは、20人弱から請け負った約130枚、大小あわせて約16ヘクタールに上る。

 担い手の高齢化に伴って頼まれた中山間地の棚田も少なくない。全国でも、中山間地にある田は全体の3割強を占める。

 現地に行って見ると、アクセスや水の条件の厳しい棚田を守るのは、想像以上に大変だった。

 記者が訪れた5月下旬は、田起こし、代かき、田植えが同時並行で進む忙しい時期だった。

 昨年11月から働く小嶋哲也さん(40)は、航空写真をもとにした地図で、どこの田に向かうかを確認した。

雪解け水のため池から…

 「場所がばらばらなので………

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