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 植田氏は24日の記者会見で、利上げを決めた理由について「経済・物価の見通しが実現する確度(可能性)が高まった」と説明した。

 日銀は追加利上げに向け、賃上げが続くかどうかを重視してきた。賃上げを受けて消費が伸び、それが企業の商品やサービスへの価格転嫁に波及する。こうした賃金と物価の「好循環」につながるとみているからだ。

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金融政策決定会合後の会見で話す日銀の植田和男総裁=2025年1月24日午後3時59分、東京・日本橋の日銀本店、友永翔大撮影

 年明け以降、大企業を中心に賃上げの流れは続き、初任給の引き上げの動きも広がる。中小企業も人手不足が深刻で、賃上げをしないと人を雇いにくくなっている。これらを挙げた上で、植田氏は「しっかりとした賃上げの実施が見込まれると判断した」とした。

 日銀は、米トランプ大統領の就任演説を受けた金融市場への影響も警戒していたが、現時点で混乱は起きておらず「出だしは予想の範囲内」(植田氏)。

 利上げをさらに後押ししたのが、物価の上ぶれリスクだ。外国為替市場で昨年12月上旬に1ドル=150円台だった円相場は、1月上旬に一時158円台まで円安が進行。円安は輸入する原材料価格の上昇を通じ、物価高をもたらす。

 日銀が24日公表した「経済…

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