少女とキツネのぬいぐるみの冒険物語で、長く愛される絵本「こんとあき」の壁画が鳥取市にある。元になった絵は作者の絵本作家林明子さん(80)が描き下ろした。壁画が公開されて30年経つが、世界でここにしかない「こんとあき」に触れようと今でもファンが訪れる。
「こんとあき」は、あきが生まれた時から大事にしてきたぬいぐるみ「こん」のほころびを直してもらおうと、一緒に「さきゅうまち」のおばあちゃんの家を目指す話。林さんは東京都出身だが、祖母が鳥取市に住み、両親も鳥取育ちだった。祖母宅にたびたび泊まるなど鳥取が好きで、作品に登場する砂丘は鳥取砂丘(鳥取市)、おばあちゃんは祖母、あきはめいがモデルという。
- 挟まれたしっぽ、窓につけたほお 本物だったこんとあき
林さんによると、「こんとあき」の絵本が誕生したのは、鳥取での原画展で会った人から砂丘の絵本を描いてほしいと頼まれたのがきっかけ。その後、知人の童話作家らと鳥取に旅行をした際に祖母からもてなしを受け、童話作家からは「おばあちゃんの絵本を描いて」と勧められた。林さんは「こんとあきは祖母に見せることができなかったのですが、この絵本を見るたびに懐かしいおばあちゃんの思い出がよみがえってきます」と話す。
積極的に広報していないが…
壁画があるのは鳥取市の童謡…