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新潟で唯一の胎児性水俣病患者の古山知恵子さん(左下)の訴えがスクリーンに映し出された=新潟市中央区

 新潟水俣病の公式確認から60年を迎えた31日、新潟市内で式典があった。被害者や原因企業の代表者らのほか、環境相としては10年ぶりに浅尾慶一郎氏が出席した。被害者らは一刻も早い救済を求め、「生きているうちに解決を」と訴えた。

 式典では、国などに損害賠償を求めて審理中の訴訟の原告団長、皆川栄一さん(81)が「患者の心痛を思ってみてください。私たちが求めているのは『人として認めてほしい』『人として扱ってほしい』ということだ」と語った。

 新潟で唯一の胎児性患者の古山知恵子さん(60)も登壇し、原因企業の社長らに対し「私をこんな体にしてどうしてくれますか。せきにんをとって下さい。これからの生活をできるようにして下さい」と筆談で訴えた。古山さんは水俣病の影響で話すことができない。

「二度と繰り返されないよう全力」

 浅尾氏は「今なお苦しむ方々がいる現実を受け止め、悲劇が二度と繰り返されないよう全力で取り組む」と述べた。

 水俣病を巡っては、熊本県水俣市で昨年5月、団体側の発言中に環境省職員が一方的にマイクの音を切り、厳しい批判を浴びた。今年の同市の懇談では団体側の発言時間を制限しなかった。

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