老朽化のため今月いっぱいで50年の歴史に幕をおろす横浜市中区の神奈川県民ホールで16日、記念公演として県吹奏楽フェスティバルが開かれた。小学生から大人まで総勢約1300人が次々とステージにあがり、思い出深いホールに感謝の演奏を送った。
1975年に開館した県民ホールは国内屈指の2493席の大ホールをもち、長年にわたって県吹奏楽コンクール(県吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の舞台となってきた。県内各地区の予選では「県民ホールに行こう」が参加者の合言葉になってきたという吹奏楽の「聖地」だ。
フェスティバルでは県内各地から集まった九つの合同バンドが入れ替わりステージにあがり、力強い演奏を披露した。最後は客席からも演奏に加わる合同演奏で、大ホールいっぱいに「ふるさと」の音色を響かせた。
千田(ちだ)豊・県吹奏楽連盟理事長は「全国でもトップレベルのホールがあったからこそ励みにもなり、県内の吹奏楽が活性化した」。県民ホールの安田江(こう)・事業部長は「開演前からすごい熱気で、客席も盛り上がっていた。歴史を感じさせられた」と話していた。
県民ホールは建て替えられる予定で、2025年度中に開業時期や規模などの構想をとりまとめる。25年度の県吹奏楽コンクールは川崎市川崎区のカルッツかわさきで開催する予定。