(14日、第107回全国高校野球選手権山口大会1回戦 下関国際9―1下関工科) 3点を追う二回表1死。最初の打席に立った下関工科の次郎垣内嵐選手(3年)は、決めていた。
「得意の高めが来たら、自分のすべてをぶつけてやる」
4球目。「来たっ」。高めの直球を捉えると、左中間を抜く二塁打に。次打者の内野ゴロで三塁に進むと、捕逸の間に本塁を突き、得点した。
昨夏準優勝の下関国際とは、3度目の対戦だった。1年生大会はコールド負け。昨秋の県大会では敗れたが、1点差に詰め寄った。
「三度目の正直」を期した一戦。五回には、内角低めの2球目を左前に運んだ。「体が勝手に反応してくれました」と練習の成果を誇った。
次打者の犠打を絡めて追加点を狙ったが、再び本塁を踏むことはできなかった。
結果は、7回コールド負け。盗塁や犠打でかき回せば、どんな強敵でもリズムを崩すはず――。しかし、「相手が1枚も2枚も上でした」と唇をかむ。
「この日のためにめちゃくちゃ練習してきたつもりだけど、まだまだ足りなかった」と振り返り、後輩に「四度目の正直」を託すかのように言った。「もっともっと厳しく練習を」