2月、雪がちらつくウクライナの首都キーウ。中央駅のプラットホームでは、迷彩服を身につけた兵士たちが、ロシアとの国境近くにある前線に向かう列車の出発を待っていた。その隣には家族や恋人、それぞれの大切な人が寄り添っていた。
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早朝6時30分。外はまだ薄暗い。激戦地・東部ドネツク州クラマトルスクに向かう列車が待機するホームで、ポーランド人女性のアニータさん(25)がつぶやく。「ずっと、このまま一緒にいたい」
列車の出発直前まで、「アゾフ連隊」に所属する交際中の兵士から離れようとしなかった。付き合って1年。最近、婚約したばかりだという。「ただ、彼の帰りを待つだけ。平穏な生活が訪れることを望みます」と涙ぐんだ。
7時30分。北東部スーミ行…