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健大高崎―横浜 一回表健大高崎1死一塁、打者秋山のとき、二塁へ送球する捕手駒橋=有元愛美子撮影
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 (28日、第97回選抜高校野球大会準決勝 横浜5―1健大高崎)

 一回表、先発の織田翔希(2年)が1死一、三塁のピンチを背負う。次打者を三振に抑え、迎える打者は今大会好調の健大高崎5番・栗原朋希(3年)。捕手の駒橋優樹(3年)は「ついに来たな」と思った。

 2人は駿台学園中(東京)の軟式野球部のチームメートで、3年時には全国大会で優勝した。「一緒に日本一になった仲間と、今度は選抜決勝をかけて戦える」。準決勝の相手が健大高崎に決まったときから対戦を心待ちにしていた。

 打席に入る栗原に「力入ってるんじゃないか」と話しかけると、一瞬にやりと目配せしたように見えたという。

 「栗原は大舞台に強い。打つとチームが勢いづく」。打者としての怖さはよくわかっている。それでも、「強気でいこう」と織田に内角の直球を要求した。

 構え通りに来た直球を受け止め、空振り三振に仕留めると「よっしゃ!」とマスクを取り、ガッツポーズをした。

 小学3年生から捕手をしている。理由は「勝利に直結するポジションだから」。

 横浜では昨秋の県大会途中から、正捕手として強力な投手陣を支える。「自分が焦っているとチームに悪影響が出る」と、常に平常心を心がける。織田は「駒橋さんだから自信を持って投げられる」と信頼を寄せる。

 優勝が目前に迫るが「あまり意識しない。1試合にすべてをかけて、最後1点でも多く点を取って勝てばいい」。落ち着いた表情で話した。

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