いじめを受けた男子生徒の父親に頭を下げる田上町の首藤和明教育長(左)=2024年7月3日、新潟県田上町、井上充昌撮影
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 新潟県田上町立田上中学校で2020年、当時1年生の男子生徒がいじめを受けていた問題で、同町の首藤和明教育長が3日、男子生徒の自宅を訪れ、生徒の父親に「つらい思いをされ、申し訳ない」と謝罪した。

 男子生徒が1年生の1学期の頃、担任教諭はテストの点数が低いとして「お前はバカか」と怒鳴りつけた。また同級生の男子が答案をのぞき込んで「点数低いね」と言うなどした。町教育委員会が独自に設置した調査委員会は今年2月、報告書をまとめてこれらをいじめと認め、学校側の対応の遅れも指摘した。

 この日、父親は首藤教育長に対し、改めて元担任教諭や加害生徒側による謝罪の場を設けるよう求めた。これに対し、首藤教育長は元担任に連絡を取り、父親から謝罪を求められたと伝える、と応じた。

 父親は「謝罪は素直に受け入れたい。ただ、学校や町教委との2年以上のやりとりで不信感を抱いている。いまだにいじめの影響は続いている」と話し、生徒が最近も自らの死を望む気持ちを紙に書くなど、苦しんでいる様子を伝えた。

 同町はいじめの原因を知りたいという両親の求めに応じ、再調査に向けた第三者委員会の設置を決めた。首藤教育長は、近く始まる第三者委の出す結論に従って行動する方針を示した。(井上充昌)

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