米国のトランプ大統領は19日、フロリダ州であった会合で、「核兵器の威力はとてつもない。広島や長崎を思い浮かべてほしい」と述べた。核戦力の管理で、自分がロシアや中国とうまく交渉していると誇った。
1次政権で、米ロ間で中距離ミサイルの保有を禁じた「中距離核戦力全廃条約」(INF条約)を破棄するなど、核軍縮に消極的とされてきたトランプ氏だが、金融やテック業界の会合で戦争への考え方を問われ、「平和を維持するためには強さが必要」などと核戦力保持の正当化ととれる発言をした。その上で広島や長崎を挙げて核の威力に言及し、「(核兵器で)世界は破壊されてしまう。それを理解できる人が大統領や指導者になるべきだ」と述べた。
中ロの核戦力については「ロシアと私たちは圧倒的に大きな核戦力を持つ。中国は5年以内に近づき、同等になる」と分析。核戦力の管理で中ロとは「うまくやっている」と自信をのぞかせた。一方、核開発を進めているイランを名指しし、「他の国に核兵器を持たせるわけにはいかない」とも語った。