受付に、ベンチの横に、壁際に、そのバッグはある。

 美術館の静かな空間で、床に置き去りにされたカラフルなバッグは異彩を放つ。

 誰かがこの場所に置き忘れてしまったのか。いや、違う。

ベンチの横に置かれたベリーヘビーバッグ。実際に持ってみることができる=2024年6月28日午前10時46分、高松市紺屋町、内海日和撮影

 このバッグは「ベリーヘビーバッグ」というアート作品だ。

 高松市紺屋町の市美術館に2023年度収蔵された作品で、今年6月中旬から常設展示が始まった。

 五つのリュックやボストンバッグが館内のいたるところに展示されている。美術館にある作品としては珍しく、触ることも可能だが、バッグを持ち上げてみた鑑賞者は驚くことになる。

受付の横にもベリーヘビーバッグが展示されている=2024年6月28日午前10時52分、高松市紺屋町、内海日和撮影

 その名の通り、「とても重いバッグ」だからだ。

忘れ物と間違えられる「触れるアート」

 重さは20~30キロほど…

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