お盆の13日に混み合う埼玉県吉川市の墓地。赤いゼッケンを着た男性が丹念に墓を磨いていた。美しくなった墓地に花を供え、手を合わせる数分間を、傍らに設置された360度カメラが記録する。
石材店「篠田石材工業」(埼玉県三郷市)はお墓参りに行けない人に代わり、掃除や参拝をする「お墓参り代行」サービスを扱う。撮影データはVRゴーグルとともに依頼者に届けられ、お墓参りを疑似体験できる。
墓参り代行自体は10年ほど前からあったが、VRでの撮影はコロナ禍の2020年に始めた。初めて体験した同県吉川市の女性(66)は「画像が鮮明で広範囲が見られる。自宅にいながら墓参りをしているようですごい」と驚く。
女性は墓の管理を任せていた…