投球を受ける名須川琉斗選手=2025年2月12日、専大北上高、藤井怜撮影

 専大北上高校軟式野球部3年の名須川琉斗さん(17)は5月5日、ずっと見る側だった「甲子園」の舞台に立つ。日本高校野球連盟が阪神甲子園球場で開く交流試合に、メンバーとして名を連ねたからだ。名須川さんは「どうせない」と思っていた聖地でのプレーを心待ちにしている。

 軟式高校野球の全国大会は毎夏、甲子園での硬式野球と近い時期に、明石トーカロ球場(兵庫県明石市)などで行われている。交流試合は、全国高校軟式野球選手権大会が今夏で第70回の記念大会を迎えるにあたって行われるもので、東西から25人ずつ計50人が選ばれた。

 名須川さんは岩手県北上市和賀西中出身。野球は小学3年の時に友達に誘われて始めた。捕手は小5から。声でチームをもり立て、扇の要だった先輩を見て、自分もそうなりたいと思った。

 中学3年の時、一緒にプレーしていた友人が、専大北上軟式野球部の菅野裕二監督の息子だった。その縁もあり公開練習に参加。ブルペンで球を受けていると、監督が的確な指導をしてくれた。「この人のもとで野球をやりたい」と願い、進学・入部した。

 甲子園は小3くらいから見ていた憧れの地だ。球児が大声援の中放つ逆転本塁打や、全てをかけて野球に打ち込む姿。そこから生まれるプレーに引き込まれた。

 だが軟式を選んだ時点で、春も夏も甲子園はない。「明石」に向けてがんばろうと思った。

 昨春の遠征で選抜大会を甲子…

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