「3億円のモニュメントを建て、100億円の予算で推進するワンヘルス事業。(認める)県議会は異常だ」
「3億円、100億円、150億円、200億円。終わりのないワンヘルス事業をよしとするなら現職に投票して」
福岡県知事選が告示された6日、共産党が支持する新顔で弁護士の吉田幸一郎氏(45)は、福岡市での第一声で、再選を目指す現職の服部誠太郎氏(70)が公約に掲げたワンヘルス事業に集中砲火を浴びせた。
23日投開票の福岡県知事選。その争点の一つを紹介します。
吉田氏は、「県議会のドン」とも呼ばれる獣医師で、服部氏が「ワンヘルスの伝道師」と持ち上げる蔵内勇夫・自民党県議の存在にも繰り返し触れ、モニュメントが建てられたのは蔵内氏の地元と指摘。陣営幹部は「利権化した構造が見えてくる」と狙いを明かす。
ワンヘルスとは、人と動物の健康と環境の健全性を一体的に考える理念だが、新顔候補3人の批判は強い。
無所属で自動車整備業の藤丸貴裕氏(48)は「無駄。必要ない」(朝日新聞アンケート回答)。諸派代表の新藤伸夫氏(76)も第一声で、服部氏を推薦した自民、立憲、国民民主、公明、社民5党を「相乗りの古い政治」と批判し、県内の5党の関係者も肯定的なワンヘルス事業の即時中止を主張した。
対する服部氏。告示日の午前中は危機感は見えなかった。
「人も地球も笑顔、安全安心な街をつくる。美しい地球を未来に引き継ぐ。このことからワンヘルスを申し上げている」。力強くこう語った。
現職は「私も説明不足」 変わった発言のトーン
発言のトーンが変わったのは同日午後だ。
蔵内氏と肩を並べた久留米市…