「なぜ北大も男だらけなのか」――。そんな講演会が、25日午後1時から北海道大学クラーク会館(札幌市北区)で開かれる。日本のトップ大学における教員と学生間の女性・男性比率とその課題を考える内容だ。事前申し込み不要、参加無料、先着200人。
講演は、北大でダイバーシティーやインクルージョンに取り組む瀬名波栄潤教授らが中心となって企画した。
北大の学生の男女比はおよそ7:3。教員に関しては女性比率は約16%にとどまるという(いずれも2023年春現在)。瀬名波教授は、「元々は教員向けだが、日本全体のジェンダー不平等について多くの人々に理解を深めてもらいたいと考え、学生や一般の方にも公開することにした」と話す。
講師は、東京大学副学長の矢口祐人氏。今春に出版された著書「なぜ東大は男だらけなのか」(集英社新書)が話題を呼んだ。
著書の中で矢口氏は、東大の学部学生の男女比がおよそ8:2(2023年現在)と世界のトップ大学と比べて偏りがある現状や、ほかの有名国立大でも同様の傾向があると指摘。「有名大の卒業生が社会のリーダーとなっていくのがいまだにキャリアの定番とされる社会において、それらの大学に女性の姿が圧倒的に少ないのであれば、女性が社会の第一線で活躍できる可能性はおのずと限られてしまう」と問題提起している。矢口氏は北海道出身で、北大に在学・在職していた時期もある。(原知恵子)