土曜の午前8時15分、爽やかな音楽とともに、耳にすっとなじむ番組がある。
目の不自由な人が安心して歩ける社会を目指して――。パーソナリティーのこんな語りかけから始まる、ラジオ日本(本社・横浜市中区)の「小鳩(こばと)の愛~eye~」だ。
視覚障害のある藤川由里子さん(62)=東京都板橋区=にとって、小鳩の愛は「日々の困りごと解消の手引みたいな感じでね」。
生活に役立つサービスや視覚障害のあるゲストとのトーク、障害者団体へのインタビューなど、さまざまな話題を取り上げるこの番組を定期的に聞いている。
10年前に視覚障害がわかり、その後全盲になった。見えなくなっていくにつれ時間がわからなくなり、「今、何時?」と家族に何度も尋ねた。
「ただでさえ世の中に取り残されるように感じるのに、時間にも置いていかれるということが大変寂しかったんです」
藤川さんにとってのラジオ
でも、ラジオをつけると「こ…