納税のため税務署の窓口を訪れたその女性は、「どっこいしょ」と言いながら、かばんからキャベツを取り出しカウンターに置いた。
「まさか、物納?」
驚く署員の目の前で、次々と野菜が並べられていく。かばんの底から、最後に女性が取り出したのが札束だった――。
今から十数年前、ある国税職員が都心の税務署で経験した出来事だ。
この女性はかなり収入が多いのか、納税額は数百万円。職員は紙幣計数機も使ったが、やはり手で数えて確認しないと落ち着かなかった。「1円でも間違えたらおおごとですからね。大変でした」
所得税や法人税、消費税などの税金は、どうやって納税されているのか。
時間を気にせず、自宅などから納付できる税金のキャッシュレス納付。国が目標とする利用率「40%」にはまだ届いていません。利用促進のため、関係団体が集まり「全国宣言式」が開かれました。
e-Taxより早かった「キャッシュレス納付」
国税庁が「手段」別にまとめ…