逮捕後、ストレッチャーに乗せられて京都府警伏見署に入る青葉真司死刑囚=2020年5月27日午前8時9分、京都市伏見区、白井伸洋撮影

 36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、青葉真司死刑囚(46)が控訴を取り下げた理由について、一審に続いて自身の言動を「妄想」と主張されることに不満があったと弁護人に説明していることがわかった。弁護人は「自分を守るための正常な判断ができていなかった」として、無効とするよう大阪高裁に申し立てている。

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 28日に高裁で非公開の三者協議があり、弁護側が提出した申入書で経緯の詳細を伝えた。高裁は今後、検察側の意見を踏まえ、公判を続けるか判断する。

 青葉死刑囚の言動について、弁護側は一審・京都地裁の裁判員裁判で「京アニに作品のアイデアを盗まれた」「盗用は闇の人物のナンバー2の指示」などの発言や精神鑑定の結果から、責任能力がないと無罪を主張。地裁は昨年1月の判決で「妄想性障害」と認めつつ、犯行に与えた影響は大きくないと訴えを退け、死刑を言い渡した。青葉死刑囚は控訴したが今年1月27日、弁護団に相談せずに取り下げ、自動的に刑が確定した。

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 関係者によると、弁護団が申入書で説明した「経緯」はこうだ。

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