巨人の選手時代の長嶋茂雄さん。豪快なスイングでファンを魅了した

 「ミスタープロ野球」と呼ばれ、絶大な人気を集めた元巨人の長嶋茂雄さんが亡くなった3日、秋田ゆかりの人たちも往年の雄姿に思いをはせ、追悼した。

 能代高出身で、プロ野球阪急ブレーブスの投手として活躍した山田久志さん(76)は、1971年の日本シリーズが印象に残る。九回2死、長嶋さんに安打を許し、直後に王貞治選手に逆転サヨナラ3ランを喫した。

 「長嶋さんはカーブで完全にタイミングを外したが、泳ぎながらもセンター前にもっていかれた。長嶋さんらしいバッティングでしたね」

 時代は巨人のV9の真っただ中。「その中心が長嶋さん。輝いていた。まぶしいくらいに。対戦できたのは幸せだった」

 秋田高出身の参院議員、石井浩郎さん(60)は97年、長嶋さんが監督だった巨人に移籍し、4番打者も務めた。ファンを大事にするその姿勢に「さすが」と感じ入ったという。

 「負けても、いい試合なら、ナイスゲームといってくれた。お客さんは喜んでくれたよ、と」。プロ野球の醍醐(だいご)味をみせる、という長嶋さんの意識が今の野球の発展につながっていると思う。

 東京のすし店主で、男鹿工高の元球児、太田慎治さん(42)は、2004年アテネ五輪野球日本代表の専属料理人に起用されたスタッフだった。監督の長嶋さんは脳梗塞(こうそく)で倒れ、五輪で指揮は執らなかったが、以前働いていた和食店によく顔を見せたという。

 「テレビで見るまま、裏表なく、みんなに接する方でした」と、素顔の長嶋さんを懐かしんだ。

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