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岐阜大学の田中伸准教授=岐阜市
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 18歳選挙権の導入を機に、注目されてきた「主権者教育」。子どもや若者に政治との関わり方を教える取り組みは各地で進んだが、いぜん若年層の投票率は中高年層と比べ低いままだ。どうやって政治に関心を持ってもらうのか――。いま、教育の現場に変化が生じつつあるという。

 前回2021年衆院選の年代別の投票率(抽出調査)は10代(43.23%)、20代(36.50%)で全年代の平均(55.93%)より低く、最も高い60代(71.38%)とは大きな差がある。

 「主権者教育は次の段階に来ている」と語るのは、岐阜大学の田中伸准教授(社会科教育学)だ。総務省の主権者教育アドバイザーを務め、学校などの要請を受けて全国各地に赴き、主権者教育の新たな形を模索し続けている。

 田中准教授によると、主権者教育は、選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられた2016年に盛り上がったが、「いまは、一時期のブームが去って下火になっている」。また、内容も模擬投票やクラス内での政策発表など、選挙の仕組みを学ぶことにとどまることが多かったという。「一定の意義はあったが、『ままごと』のようなもので、子どもたちの意識が変わることは多くない」

 意識を変えるポイントとして田中准教授が挙げるのは「成功体験」だ。

 「ゴミ捨て場の場所が変わっ…

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