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イタイイタイ病訴訟控訴審で「勝訴」の垂れ幕を受け取る被害者団体の会長(左)=1972年8月9日、名古屋高裁金沢支部
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 富山県の神通川流域で発生したイタイイタイ病の認定患者で唯一生存していた富山市の女性(93)が11日、亡くなった。環境省などによると、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくを含む四大公害病で、生存する認定患者がゼロになるのは初めて。

 家族によると、女性は2年前に患者に認定。40代から足腰が痛むのを我慢していたという。家族は「もっと早く認定を申請していれば。同じような高齢者は他にもいるはずだ」と悔やむ。

 被害者団体・イタイイタイ病対策協議会の江添良作会長(74)は「調査で健康管理が必要な人が毎年出ている。この病の被害は終わっていない」と話す。

 イタイイタイ病は神通川上流の神岡鉱山(岐阜県)の排水内のカドミウムが原因で、腎臓障害や骨の軟化などを引き起こした。富山県が1967年以降、201人を患者に認定した。

 さらに、県はこれまでに34…

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