恩赦委員会による謝罪後に集合写真を撮る恩赦委員会と日系団体のメンバー=2024年7月25日午後、ブラジリア、軽部理人撮影

 「日系移民を迫害した過ちを認めます」。ブラジル政府は25日、第2次世界大戦中と戦後の日系社会への行為について、政府として初めて謝罪した。来年の戦後80年の節目を前にした謝罪に、日系人らには喜びの声が広がった。

  • ブラジル政府、第2次大戦中と戦後の日系人迫害を謝罪「後世に語り継ぐ」

 25日夕方、首都ブラジリアの人権・市民権省。政府の諮問機関である恩赦委員会のアルメイダ委員長は日系移民への謝罪文をポルトガル語で読み上げ、最後に日本語に切り替えてこう述べた。「ブラジル政府は、(日系移民の)先祖迫害の許しを求めます」。議場に集まった100人以上の傍聴者は歓声を上げた。

 サンパウロに住む日系2世のレオネル・ヒガさん(60)は、父親が1943年7月、州内の港町サントスから強制的に退去させられた。父親は多くを語らなかったが、常に悔しそうな表情をしていたことが印象的だったという。父親は2週間前に91歳で亡くなった。「父が生きている間に謝罪してほしかったが、今ごろ天国で喜んでいるだろう。81年越しに浮かばれた」と涙した。

 委員会の様子はYoutub…

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