避難指示が解除された岩手県大船渡市赤崎町後ノ入では7日、石川さよ子さん(84)が避難先から自宅に戻り、荷物を運び込んでいた。「最前線で働いている方たちに感謝。いつもの布団でまずはゆっくり寝たい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
石川さんは知人宅に約1週間避難していた。東日本大震災以降、大切なものはまとめておく習慣ができ、持病の薬をしっかり持ち出せた。
避難生活では自宅の様子が分からず、日に日に不安が募っていた。「火事が迫っている」「泥棒が入っている」など不安をあおるようなうわさ話もあったという。
避難指示の解除は一部地域にとどまる。「まだ避難している人がたくさんいて心配。震災の時もそうだったが、みんなの無事を色々な神様に拝んでいる」
家の畑では、春先からジャガイモや大根などの野菜を育てる。「近所さんに配るのが何より楽しみ」と話した。