「歴代日本代表の中で一番主将らしくないって言われるんですけど、最高のほめ言葉だと思っています」
車いすバスケ女子日本代表の主将、北田千尋(35)は言う。
それを改めて自覚したのが、今年1月のアジア・オセアニア選手権(AOC)だった。
優勝国にパリ・パラリンピックの出場権が与えられる状況で、日本は決勝で中国と対戦した。
日本は東京パラ銀メダルの強豪を相手に、前半を22―21とリードして折り返した。
「(チーム内には)うちらいけるかも、みたいな空気はありました。でも、私自身は前半の20分で全力を出し切ってしまって、後半、もつかなという不安が正直あった」
悪い予感は的中した。
第3クオーター(Q)で逆転を許して突き放され、35―54で敗れた。パリ・パラの出場権は今月17~20日に大阪市で開催される世界最終予選に持ち越しとなった。
敗戦後のミーティング。北田はチームメートの前で胸の内を明かした。
「(世界最終予選で)負けた…