ラモン・ロメロさん(左)とジェリー・ヨコタさん。歩き始めて3時間を超えたころ=3月23日午前11時半ごろ、大阪府内の淀川の河川敷
  • 写真・図版

 3月23日午前8時。降りやまぬ雨。私たちは、京都と大阪の境に近い阪急大山崎駅(京都府大山崎町)にいた。ゴールは40キロほど先、大阪府東大阪市にあるキリスト教の教会だ。目的は、“ガザ停戦巡礼”。

 イスラエル軍の地上侵攻で、パレスチナ自治区ガザ地区の人たちは、南端の都市ラファへと避難を余儀なくされた。ガザは南から北まで41キロ。歩いて10時間ほどかかる。自分たちもそれだけ歩いて、祈りを捧げ、ガザを思う。そんな行動が世界各地で計画、実行されている。

 大阪での巡礼は、大阪大名誉教授のジェリー・ヨコタさん(69)、英語教師のラモン・ロメロさん(46)というキリスト教徒、東大阪市にある布施源氏ケ丘教会の牧師、安藤真一さん(74)らで実施を決めた。

 ヨコタさんはジェンダー平等を研究したり、反アパルトヘイト活動をしたりの日系アメリカ人。ロメロさんは時に関西弁を話すアメリカ人だ。

 出発からほどなく大阪側に入り、淀川の河川敷へ。人がいないところを歩く。その行為をヨコタさんは「静かに祈り、自分に何ができるのか、自問自答するのです」と語る。

 しばらくは質問する気力があ…

共有
Exit mobile version