スーダン出身の実業家で慈善活動家のモー・イブラヒム氏=モー・イブラヒム財団提供

 資源が豊富で人口増も見込まれているアフリカが発展するには、何が必要なのか。アフリカ開発会議(TICAD)でも議論される開発について、スーダン出身の実業家で慈善活動家のモー・イブラヒム氏に聞いた。

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 スーダン出身。1998年に携帯電話会社を設立し、15カ国で事業を展開した。2006年にモー・イブラヒム財団を設立。民主的で優れた統治をした元指導者を表彰する「イブラヒム賞」は、「アフリカ版ノーベル賞」と言われている。

 ――人口の増加によってアフリカは発展できるのでしょうか。

 アフリカはすでに世界人口の2割近くを占めています。2030~2100年でさらに22億人増え、2100年には世界人口の4割をアフリカが占める見込みです。労働力や消費者として多くの人がいることは、アフリカの資産になる可能性があります。

 ただ、現状ではアフリカ諸国の国内総生産(GDP)は世界の3%程度に過ぎません。教育や医療、雇用を提供するための資金がない。これでは社会不安が広がるばかりです。人口が多いだけに、気候変動や感染症の拡大がもたらす影響も大きくなることは必至です。将来のアフリカがどうなるか、今は転換点に立たされていると思います。

未来のカギ握る若者の「潜在力」

 ――よい方向に進むには何が必要ですか。

 アフリカでは若年人口が急増…

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