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熱弁をふるう美術家のシアスター・ゲイツさん
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 無名の工人たちによる雑器に美を見いだした1920年代の民芸運動は広く定着し、その作品は今やファッショナブルに受け止められることもある。そんななか「アフロ民芸」なる概念が唱えられている。民芸と米国の公民権運動のスローガン「ブラック・イズ・ビューティフル」の思想を融合させた考えで、民芸の本質をも再考させる。

 アフロ民芸の提唱者は、アフリカ系米国人の美術家・陶芸家のシアスター・ゲイツさん(1973年生まれ)。昨年は、英誌「ArtReview」による世界の美術界での影響力ランキング「power100」で7位になった気鋭の表現者だ。東京・森美術館で開催中の大規模個展(9月1日まで)で、「アフロ民藝(みんげい)」を展覧会名に取り込んでいる。

 米国などで陶芸や都市デザインを学び、2004年に愛知県常滑市に長期滞在、日本の陶芸の現場を体験した。常滑について「訓練を受けた私にとって、世界で最も重要な場所」と話す。大量生産・消費とは異なる倫理観、景観の中で作り続ける陶工たちの存在を知った。民芸の調査も手がけている。

 ゲイツさんは民芸運動を、西…

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