金融市場で株価や為替の乱高下が相次いでいる。一因とされるのが、あらかじめ決められたプログラムに基づいて自動で高速売買する「アルゴリズム取引」。東京証券取引所の売買の8割がこの取引に基づくとされ、個人投資家の間でも広がってきた。ただ、自動取引には危うさもある。
8月5日、元外資系証券のトレーダーの男性(48)は、自宅でチャートが映し出された画面を見つめていた。「アルゴ(リズム取引)が強いな」。この日、東京株式市場で日経平均株価は史上最大の下げ幅となる4451円安を記録した。チャートが止まることなく下落し続ける「アルゴっぽい」動きは、特に午後の先物取引で顕著だったという。「そんな日は特に手を出さないに限ります」。売買を控えると、日経平均は翌日に急反発。過去最大の上げ幅となった。
アルゴリズム取引で定められる条件は、経済指標、政府や中央銀行の要人発言、為替、ニュースのヘッドラインなど様々だ。複数の要素を組み合わせ、自動的に売買の注文を出すのが一般的だ。市場関係者によると、11月の米大統領選でトランプ氏が優勢との報道が出始めたタイミングでも、外国為替市場でアルゴリズム取引のように見える動きがあったという。
アルゴリズム取引に詳しい東…