Smiley face

 東京・渋谷駅のハチ公広場で30日、パレスチナ自治区ガザへのイスラエルの軍事行動に抗議する集会が開かれた。主催者によると約700人が参加。英語や日本語で「今すぐ停戦」「沈黙は共犯」などと書かれたプラカードを掲げて声を上げた。

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パレスチナの「土地の日」に合わせ、イスラエルへの抗議デモで声を上げる人たち=2025年3月30日午後、東京・渋谷、井手さゆり撮影

 主催したのは、日本に住むパレスチナ人や日本人などでつくる「Palestinians of Japan」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。

 この日はパレスチナの「土地の日」。1976年3月30日、イスラエルによる土地の「収奪」への抗議活動が治安部隊に鎮圧され、パレスチナ人6人が死亡、100人以上が負傷したことにちなむ。世界各地でデモなどが行われ、東京でも昨年に続き集会が実施された。

「素通りする人を振り向かせる」

 都内在住のファディ・キブラウィさん(43)は両親がパレスチナ出身で、1948年のイスラエル建国時に村を破壊された。「ジェノサイド(虐殺)は(イスラエル建国の48年から)77年間、パレスチナ人の記憶、土地への愛情を消し去れないことへの(イスラエルの)いらだちだ。抵抗する限りパレスチナは決して死ぬことはない」と話した。

 アーティストでラッパーのダニージンさん(20)は、パレスチナ人の父と日本人の母をもつ。「素通りしている人を振り向かせたい。色んな方法で頑張っていきましょう」と呼びかけた。

 ガザに住むサラマさん(24)のメッセージも代読され、「痛みは終わらず苦しみは深まるばかり。ガザにお祝いは存在しない。ジェノサイドは現在も進行しており、何も変わっていない」。1月19日に発効した停戦合意について、わずかな希望を持ち、「復興について考え、ひょっとした(攻撃が)再開しないのでは、毎日恐れずに済むかもしれないのではないか」と思ったという。参加者たちに向けて「あなたの声が、世界が忘れていないことの証拠です」と結んだ。

 集会には、24日にイスラエルのミサイル攻撃で殺された、朝日新聞の現地通信員、ムハンマド・マンスールさん(29)の写真や、報道関係者のベストも展示された。

ガザ出身の28歳、「見ているだけでなく行動を」

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イスラエルへの抗議デモで歌うハニン・シアムさん=2025年3月30日午後、東京・渋谷、井手さゆり撮影

 「ガザでは激化する虐殺の悪夢が続いている。私たちはただ見ているだけではなく、行動しなければいけない。パレスチナの人々と連帯することは今までになく重要です」。30日、東京・渋谷で行われた、ガザを攻撃するイスラエルへの抗議活動。マイクを握った主催者のひとり、都内に住むハニン・シアムさん(28)はそう呼びかけた。

 父は駐日パレスチナ常駐総代表部の代表を務めるワリード・シアムさん。7歳の時に来日した。

 ガザの記憶は、常に恐怖が身近だったこと。爆撃音、人々の叫び声……。爆風で窓が揺れることのない日本は別の惑星のように思えた。

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