イスラエルが13日、イランの核施設などを空爆しました。トランプ米政権とイランによる核協議も暗礁に乗り上げる可能性が高まっています。核兵器を巡る抑止や軍縮に詳しい中曽根平和研究所の長島純研究顧問(元空将)は「イランは核開発を決してあきらめない」と語る一方で、「1960年代に世界各国で起きた独自核武装論の機運が盛り上がる危険がある」と指摘します。
――イスラエルの攻撃をどうみていますか。
核を保有しているとされるイスラエルは過去、その優位性を保つために周辺国の核開発を妨害してきました。イスラエルは81年6月、イラクが建設中だった原子力発電所を爆撃、2007年9月にはシリアが北朝鮮の協力を得て建設中だった原子炉を空爆し、それぞれ破壊しました。
イランの核関連施設に対しても、00年代後半にイスラエルと米国の関与が疑われているサイバー攻撃が行われました。イスラエルは20年と21年にも、イランの核関連施設への爆破工作を実施しています。
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■核関連施設の完全破壊は不可…