サッカーの元日本代表で、1968年メキシコ五輪銅メダルに貢献した釜本邦茂さんが10日、81歳でなくなった。日本サッカー協会などが発表した。
- 釜本邦茂さん死去 メキシコ五輪サッカー、得点王で銅 代表最多得点
あれは17年前。サッカー日本代表の試合をテレビで見ながら、日本のシュートが決まらなかった場面について釜本邦茂さんに解説してもらっている時だった。
おもむろに立ち上がり、「DF役をやってみ」と私を促した。「打つ前、こうやって相手をガードせないかん」。鋼のような太ももが23歳下の私がこじ入れようとした足をはじく64歳の肉体が何と頑丈だったことか。身長は公称179センチだが、実際は181センチあった。「でかいやつは鈍くさいと思われるのが嫌でね」
繁華街の人波を逆行 磨いたフェイント
年代別代表に選ばれた京都・山城高時代から、秀でた身体能力の逸話は多い。遠征に行く列車の中で釜本さんを一目見た大学相撲部監督から「ぜひうちに」と頼み込まれた。大相撲・花籠部屋の関係者が「サッカーじゃ食えないよ」と学校まで誘いに来たこともあったという。強豪だった同高野球部の練習に遊びで参加させてもらったら、誰より打球が飛んだ。
細かいことに拘泥しない気っ…
