原爆投下後の広島と長崎にゆかりを持つ米国人の女性2人が、原爆をテーマにしたドキュメンタリーをつくった。日本の被爆者や、戦後に被爆地で活動した元米兵らへのインタビューを通じて、原爆が残した傷痕を日米双方の側から描くストーリーだ。
制作に携わったのは、ともに作家やライターとして活動するメリーランド州在住のヴィクトリア・ケリーさん(41)とワシントンDC在住のカリン・タナベさん(44)。ケリーさんの祖父は、兵士として長崎に派遣された。タナベさんの遠戚は戦後、広島大学の学長を務めた日本人だ。
ドキュメンタリー制作のきっかけは、原爆を開発した米国人物理学者の半生を描いた映画「オッペンハイマー」(2023年米国公開)を見て、2人が抱いた違和感だった。
「原爆の被害がほとんど描かれていない」
2人は被爆地につながりがあ…