神保町駅近くにある「カレー屋ばんび」では、ここ5年で220~350円値上げした。「値上げしなければいつかつぶれる」と店主は嘆く=2025年4月20日午後0時1分、東京都千代田区神田小川町3丁目、浅田朋範撮影

 カレーライスをつくるのに必要な費用を算出した「カレーライス物価」が3月時点で421円となり、12カ月連続で最高値を更新した。民間調査会社「帝国データバンク」が試算し、公表した。10年前に比べて約1.7倍に達しており、様々な具材が高騰している状況が浮き彫りになった。

 同社によると、カレーライス物価は原材料や水道光熱費にかかる費用(全国平均)をもとに算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化したもの。2月時点は407円で初めて400円を突破し、3月も高止まりが続いている。10年前の15年3月時点は250円だった。

 3月の421円の内訳は、カレー具材(肉、野菜)が213円で前年同月に比べて16円増だったほか、ごはんが179円で同86円増だった。具材に使われるニンジン、ジャガイモ、タマネギがいずれも平年を上回る価格で取引されているほか、コメもスーパーの販売価格が17週連続で上昇するなど、政府による備蓄米放出の影響は限定的とみられている。

 水道光熱費の4円とカレールー25円はそれぞれ前年同月と変わらない水準だった。

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