「トランプ関税」をめぐる日米の交渉が本格化した。日本側はまず、対米投資の実績や自由貿易の重要性を訴える作戦だ。だが、各国との協議にあたり、トランプ米大統領は「何か驚くべきもの」を相手国に求めている。正論だけでは通るはずもないが、トランプ氏の真意は見えず、交渉は手探りの状態が続く。
「カードの小出しはあり得ない。『全体のパッケージに満足したら関税はかけない』という約束を取り付けないと意味がない」。経済官庁のある幹部はそう口にする。
- 関税見直し協議へ、赤沢大臣が出発 まずは米側の意向と「土俵」探る
ただ、相手の出方をみないことには、パッケージの中身は考えられないのが実情だ。とはいえ、手がかりがまったくないわけではない。政府はこれまでの米側の発信から、自動車や農産品分野で米国が長年批判してきた「非関税障壁」が、交渉のテーブルに上がると当たりをつけた。
政府が参考にしたのが、米通…